消費財株は日本株式市場の新たな原動力となるか?

消費財株は日本株式市場の新たな原動力となるか?

日本の株式市場回復の新たな原動力として、内需関連株が半導体株に取って代わるかどうかは、個人消費にかかっている。

日経平均株価は2024年第1四半期に20.6%上昇し、1988年の21.8%下落以来の大幅な上昇となった。東証株価指数は2024年初来17%上昇している。株価収益率(P/E)は今年13.4%上昇しており、株価上昇の80%を占める可能性がある。シュローダー・インベストメント・マネジメントの日本支社のファンドマネージャー兼証券部長の豊田和弘氏は、市場は2025年度(2025年3月期)の企業利益が10%近く増加すると織り込んでいると語った。

半導体メーカー株はこれまで市場回復の大きな原動力となってきたが、過大評価されてきている。東京エレクトロンのような半導体メーカーの来年の利益予想に基づくと、PERは40~50倍の範囲となる。これは米国の大手半導体メーカーの平均である30.7を大幅に上回る数字だ。人工知能に対する需要が予想以上に高まらない限り、半導体株が大きく上昇する可能性は低い。

一方、円安は輸出業者にとって追い風となったが、為替市場介入への懸念から、円安は限定的となる可能性がある。日本企業は2024年4月中旬から通期業績の発表を始めるが、その結果が買いを刺激しない可能性もある。

市場は来年度予想に注目している。しかし、円安や自動車部門の生産増加など、2023年に企業収益を押し上げた要因が影響を和らげる可能性がある。来年度、ほとんどの輸出企業は為替レートを1ドル=145円程度と想定するとみられる。今期の為替レートは144.5円/ドルです。

日米金利差が縮小しなければ、円高は大きく進まないと予想される。半導体市場も中期的な回復サイクルにあります。シティグループの株式ストラテジスト、坂上良太氏によると、日経平均株価は2024年半ばまで3万8000~4万1000円の高値を維持するだろう。

この範囲を突破するには、消費関連株が新たな牽引役となる必要があるだろう。インフレ予測のおかげで、不動産株が最初に買いを集めた。インフレ予測は、賃金交渉のほとんどが発表された3月13日から上昇し始め、賃金は33年ぶりの大幅な上昇となった。

日銀は3月19日にマイナス金利政策を停止した。日銀は2020年以降、2000年、2006年、2007年の3回しか金利を引き上げていない。この3回の利上げ期間中の150営業日で、不動産セクターは平均17%の上昇を記録し、TOPIXの17セクターの中で最も好調だった。

しかし、金利引き上げ後に最も弱くなったセクターも消費者需要に焦点を当てた。銀行業は14%、小売業は11%、情報技術・サービスは5%、金融業(銀行を除く)は4%それぞれ減少した。

鈴木俊一財務大臣は3月27日、円がドルに対して34年ぶりの安値に下落したことを受け、これまでで最も強い警告を発し、当局は「抜本的な措置」を取る可能性があると述べた。鈴木氏が最後に「抜本的措置」に言及したのは、通貨の下落を防ぐため国が市場に介入した2022年秋だった。

鈴木氏の発言は、ドルが急騰し、円が34年ぶりの安値に落ち込み、2022年までに日本が市場介入を必要とする水準に戻った直後のことだった。3月27日のアジア市場での円の為替レートは1ドル=151.97円で、約0.2%下落し、2022年10月に当局が介入した際の151.94円を下回った。

円は日本の資産バブルが崩壊した1990年半ば以来の最低水準を記録した。鈴木氏は、政府は市場の動向を注意深く監視していると述べた。円安は輸入価格を押し上げ、インフレを加速させ、世界第4位の経済大国にとって輸出を安くするだろう。

これに先立ち、日本政府は2024年2月の日本の輸出が3か月連続で増加し、過去最高を記録したことを示すデータを発表した。この結果、同国の貿易赤字は前年同期比で約60%減少し、3,793億6,000万円(25億ドル)となった。

具体的には、2月の日本の輸出額は、主に米国向けの自動車・自動車部品の輸出が大幅に増加したことにより、7.8%増加して8兆250億円となった。一方、輸入は衣料品の輸入が主因となり、0.5%増の8兆630億円となった。

主要市場のうち、日本の対米貿易黒字は7116億7000万円となった。一方、日本の対中貿易赤字は4374億1000万円となった。そのため、日本は中国との貿易赤字を3年近く記録している。

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